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予防歯科/一般歯科/小児歯科/矯正歯科/審美歯科/インプラント/障がい者歯科・訪問歯科

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丘の上歯科医院

丘の上歯科醫院

院長:内藤 洋平

〒458-0925
名古屋市緑区桶狭間1910
TEL:052-627-0921

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丘の上歯科医院
歯科コラム

歯科の専門分野、どれを選ぶ?一般歯科から口腔外科まで徹底解説

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この記事でわかること
看板だけでは見分けにくい「一般歯科」と「専門医」の決定的な違い
難抜歯や粘膜の異常など「口腔外科」を受診すべき具体的な症状
後悔しない治療を受けるために知っておきたい各科の守備範囲

街を歩けば、コンビニエンスストアよりも多くの歯科医院を目にします。しかし、看板には「歯科」「小児歯科」「矯正歯科」「口腔外科」など、様々な診療科目が並んでおり、「結局、自分の悩みはどこに行けば一番良く治るのだろう?」と迷ってしまうことはありませんか。

実は、歯科医師免許を持っていれば、制度上はどの科目を標榜しても問題ありません。そのため、すべての医院が同じレベルで全ての治療ができるわけではないのです。内科でお腹の手術を頼まないように、歯科においても「その分野のプロフェッショナル」を選ぶことが、治療の成功率を大きく左右します。

ここでは、複雑化する歯科の専門分野について、それぞれの特徴や得意分野、そして賢い使い分け方を徹底的に解説していきます。ご自身の症状にピタリとハマる「運命のドクター」を見つけるための羅針盤として、ぜひお役立てください。

1. あなたの悩みはどの歯科で解決できる?

お腹が痛ければ内科、骨が折れれば整形外科に行くように、口の中のトラブルも症状に合わせて受診する科を選ぶのが理想です。しかし、日本の多くの歯科医院は「〇〇歯科医院」という看板を掲げ、あらゆる治療を行っているため、患者様側からすると「どこまでが専門なのか」が見えにくいという現状があります。

まずは、ご自身の抱えている悩みや症状が、本来どの専門分野に属するものなのかを整理してみましょう。これが分かれば、医院選びの解像度がグッと上がります。

症状別・推奨される診療科マトリックス

以下の表は、一般的な症状と、それを専門的に扱う診療科の対応表です。まずはここからチェックしてみてください。

主な悩み・症状 受診すべき診療科 ポイント
・歯が痛い、しみる
・詰め物が取れた
・歯茎から血が出る
一般歯科
(保存科、補綴科、歯周病科)
まずはかかりつけ医へ。
ほとんどの歯科医院で対応可能です。
・親知らずが痛い
・顎がカクカクする
・口内炎が治らない
口腔外科 外科処置が得意な医院や、
大学病院への紹介が必要な場合があります。
・歯並びを治したい
・受け口が気になる
矯正歯科 専門性が非常に高いため、
矯正専門の医院が推奨されます。
・子供の歯の治療
・フッ素を塗りたい
小児歯科 「小児歯科専門医」がいる医院なら、
子供の扱いに長けています。

「専門医」と「標榜医」の違い

ここで一つ注意していただきたいのが、看板に書かれている科目は、必ずしもその医師が「専門医資格」を持っていることを意味しないという点です。日本の医療法では、医師の判断で科目を標榜(ひょうぼう:看板などに掲げること)できるルールに

なっています。

つまり、「矯正歯科」と書いてあっても、その先生が矯正のスペシャリスト(認定医や専門医)であるとは限らないのです。一般歯科の先生が、週に一度だけ矯正治療を行っているケースも多々あります。より高度で専門的な治療を求める場合は、学会が認定した資格を持っているか、あるいはその分野に特化して診療を行っているかを確認する必要があります。

まずは「GP(総合歯科医)」という窓口へ

「じゃあ、最初から専門医に行けばいいの?」と思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。自分の症状がどの分野なのか、患者様自身で正確に判断するのは難しいものです。

そこで重要になるのが、地域のかかりつけ医である「一般歯科(GP: General Practitioner)」

の存在です。GPは、お口全体の管理者として、まずは初期治療を行い、必要があれば適切な専門医へ紹介状を書いて橋渡しをしてくれます。 いきなり大学病院の専門外来に行くのではなく、まずは信頼できる一般歯科で全体像を診てもらう。これが、歯科医療を賢く受けるための王道ルートです。

関連記事はこちら:虫歯ができやすい人の特徴と対策

2. 虫歯や歯周病を診る「一般歯科」

私たちが「歯医者さん」と聞いてイメージするのは、この「一般歯科」でしょう。街中にある歯科医院のほとんどがここに分類されます。しかし、一口に「一般」と言っても、その中身は非常に幅広く、歯科医療の根幹を支える重要な役割を担っています。

一般歯科がカバーする3つの主要分野

一般歯科は、主に以下の3つの学問分野を統合して診療を行っています。

  • 保存修復(ほぞんしゅうふく):
    いわゆる「虫歯治療」です。虫歯を削って詰め物をする処置を指します。
  • 歯内療法(しないりょうほう):
    「根っこの治療」です。歯の神経を取ったり、根の先に溜まった膿を出したりする、歯を残すための最後の砦です。
  • 補綴(ほてつ):
    失った歯や欠けた部分を人工物で補う治療です。被せ物(クラウン)、ブリッジ、入れ歯(義歯)などがこれに当たります。

これらに加え、歯周病治療や予防処置も一般歯科の範疇です。つまり、「お口の中の悩みごとの8割〜9割」は、この一般歯科で対応可能と言えます。

かかりつけ医としての「管理能力」

一般歯科医に求められる最も重要なスキルは、特定の治療技術もさることながら、「長期的な管理能力」です。 お口の中は常に変化しています。今は虫歯がなくても、食生活や加齢によってリスクは変動します。一人の患者様を10年、20年と長く診続け、その人の生活背景まで理解した上で、「今は削らずに様子を見よう」「そろそろ入れ歯の準備をしよう」といった的確なアドバイスができるのは、地域密着型の一般歯科ならではの強みです。

「何でも屋」だからこその難しさ

一方で、一般歯科医は「広く浅く」何でもこなす必要があるため、極めて難易度の高い症例に関しては、専門医に一歩譲る場合があります。

例えば、複雑に入り組んだ根管治療や、骨造成を伴うインプラント手術などは、専門的な設備と技術を持つ「専門医」の方が予後が良いケースもあります。 誠実な一般歯科医であれば、「このケースは私の手に負えないので、専門の先生を紹介します」と正直に伝えてくれます。逆に、何でも抱え込んでしまう医師よりも、適切なタイミングで連携を取れる医師の方が、信頼できると言えるでしょう。

良い一般歯科医の見分け方

初診時に口の中全体のレントゲンを撮り、全体像を説明してくれる

「痛いところだけ治して終わり」ではなく、定期検診(メンテナンス)を推奨してくれる

難しい症例の場合は、無理をせず専門医や大学病院へ紹介状を書いてくれる

3. 子どもの歯を守り育てる「小児歯科」

「子供の歯なんて、どうせ生え変わるから適当でいい」と考えている方はいらっしゃいませんか? それは大きな間違いです。乳歯の健康状態は、その後に生えてくる永久歯の質や歯並び、さらには顎の発育や顔の形にまで影響を及ぼします。

小児歯科は、単に「子供の虫歯を治す」だけの場所ではありません。0歳から成人(永久歯列完成)に至るまでの、「お口の健全な発育と成長」を見守る専門家です。

一般歯科との決定的な違い

多くの一般歯科でも「小児歯科」を標榜していますが、小児歯科専門医がいる医院とはアプローチが異なります。専門医は、子供特有の身体的・精神的特徴を熟知しています。

比較項目 一般歯科での対応 小児歯科専門医の対応
治療へのアプローチ 大人と同じように治療を進めようとしがち。泣いてしまうと治療が困難になることも。 「トレーニング(練習)」から始め、恐怖心を取り除く行動変容法を用いる。ラバーダム(ゴムのマスク)の使用率が高い。
扱う範囲 主に虫歯治療。 虫歯治療に加え、過剰歯の発見、歯並びの育成、外傷(ぶつけた歯)の処置、筋機能訓練(MFT)など幅広い。
設備 大人用ユニットを使用。 子供サイズの器具やユニット、キッズスペース、天井のテレビなど、子供が飽きない工夫が満載。

「歯医者嫌い」にさせない工夫

子供にとって、歯科医院での体験は一生モノの記憶になります。一度「痛い」「怖い」というトラウマを植え付けてしまうと、大人になっても歯科医院に行けなくなり、将来的に多くの歯を失う原因になります。

小児歯科では、いきなり削ったりせず、まずは器具に触らせたり、風をかけて遊んだりして信頼関係を築くことから始めます

。また、麻酔の仕方も工夫されており、いつ注射されたか分からないほどのテクニックを持っています。 「うちの子は暴れるから心配」という場合でも、小児歯科専門医ならネットで体を抑制したり、笑気麻酔を使ったりして安全に治療を行うノウハウを持っていますので、安心して任せられます。

成長発育のコントロール

小児歯科のもう一つの重要な役割は、歯並びの土台作りです。「1期治療」と呼ばれる小児矯正や、顎の成長を促すための食事指導、口呼吸や指しゃぶりといった悪習癖の改善指導も行います。 永久歯が生え揃ってから矯正するよりも、成長期に介入することで、抜歯をせずにきれいな歯並びを獲得できる可能性が高まります。

4. 歯並びを整える「矯正歯科」

美しい歯並びは、見た目の印象を良くするだけでなく、虫歯や歯周病の予防、噛み合わせの改善による全身の健康維持にも寄与します。矯正歯科は、歯を動かして正しい位置に並べることに特化した、非常に専門性の高い分野です。

専門医による治療が推奨される理由

矯正治療は、数年単位の長い期間と、数十万〜百万円単位の高額な費用がかかる一大プロジェクトです。そして何より、一度動かした歯や、抜いてしまった歯は元には戻せません。

一般歯科の先生が片手間に矯正を行っている場合もありますが、矯正治療には高度な診断能力と、予測不能な歯の動きに対応する経験値が必要です。難易度の高い症例や、仕上がりの美しさにこだわるのであれば、「日本矯正歯科学会」の認定医や専門医

が在籍する、矯正専門の歯科医院を選ぶのが賢明です。

矯正治療の種類と選択肢

一口に矯正と言っても、現在は様々な方法があります。ライフスタイルに合わせて選べるようになっています。

  • ワイヤー矯正(表側): 最も歴史があり、あらゆる症例に対応できる確実な方法。見た目が目立つのが難点ですが、最近は白いワイヤーなど目立たないものもあります。
  • 裏側矯正(舌側矯正): 歯の裏側に装置をつけるため、外からは全く見えません。技術的に難易度が高く、費用も割高になる傾向があります。
  • マウスピース矯正(インビザライン等): 透明なマウスピースを交換しながら歯を動かします。取り外しが可能で目立ちませんが、適応できる症例に限りがあり、患者自身の装着管理(1日20時間以上など)が必須です。

「無料相談」を活用しよう

多くの矯正歯科では、初回の相談(カウンセリング)を無料で行っています。ここで治療期間、費用の概算、抜歯の必要性などを聞くことができます。 一つの医院で即決せず、2〜3軒の医院で話を聞き、「先生との相性」や「治療方針への納得感」を比較検討することをお勧めします。長い付き合いになるからこそ、信頼関係が何よりも大切です。

関連記事はこちら:矯正治療を始める前に知っておくべき全てのこと

5. 親知らずの抜歯やインプラントを行う「口腔外科」

「口腔外科(こうくうげか)」と聞くと、なんだか物々しい響きがしますが、簡単に言えば「口の中の外科手術」を専門とする科です。一般歯科では対応が難しい、骨や粘膜、顎関節に関わるトラブルを引き受けます。

一般歯科では難しい「難抜歯」

口腔外科で最もポピュラーな処置は、親知らずの抜歯です。真っ直ぐ生えている親知らずなら一般歯科でも抜けますが、以下のようなケースは口腔外科の出番です。

  • 完全埋伏歯: 歯茎の中に完全に埋まっており、歯茎を切開して骨を削る必要がある場合。
  • 水平埋伏歯: 親知らずが真横を向いていて、手前の歯に食い込んでいる場合。
  • 神経に近い歯: 下顎の太い神経(下歯槽神経)に根っこが触れている場合、抜歯時に麻痺が残るリスクがあるため、CT撮影などの設備が整った環境での処置が必要です。

粘膜の異常や顎のトラブル

歯だけでなく、舌、頬の粘膜、顎の骨、唾液腺など、お口周りの組織全般を診るのも口腔外科の役割です。

疾患・症状 口腔外科での対応
口内炎・粘膜疾患 2週間以上治らない口内炎は、口腔がんの可能性があります。組織検査(生検)を行い、良性か悪性かを診断します。
顎関節症 口が開かない、顎が鳴る、痛いといった症状に対し、マウスピース療法や薬物療法、理学療法を行います。
外傷(怪我) 転んで歯が折れた、唇を切った、顎の骨を折ったなどの救急処置を行います。歯の再植(植え直し)も行います。

全身疾患を持つ方の歯科治療

心臓病、糖尿病、脳梗塞の既往など、重い持病をお持ちの方の歯科治療は、出血が止まりにくかったり、感染しやすかったりとリスクを伴います

。 口腔外科医は、全身管理のトレーニングを積んでいるため、医科の主治医と連携を取りながら、モニタリング下で安全に治療を行うことができます。「薬をたくさん飲んでいて歯医者に行くのが怖い」という方は、口腔外科を標榜している医院や、病院歯科(総合病院内の歯科)を受診することをお勧めします。

6. 美しさを追求する「審美歯科」

「銀歯を白くしたい」「歯の形を整えたい」「歯茎の黒ずみを消したい」
こうした見た目に関する悩みは、虫歯や歯周病といった病気の治療とは少し性質が異なります。病気を治すこと(マイナスをゼロにする)に加え、より美しく健康的で機能的な口元を作ること(ゼロをプラスにする)を目的とするのが「審美歯科(しんびしか)」

です。

単なる「美容」ではない機能美の追求

審美歯科と聞くと、美容整形のように「見た目だけを良くする」というイメージを持たれるかもしれません。しかし、真の審美歯科治療は、噛み合わせや歯茎の健康状態といった「機能性」を土台にした美しさ

を追求します。

例えば、前歯をセラミックに変える場合、ただ白い歯を入れるだけでは不十分です。笑った時の唇のライン(スマイルライン)との調和、顔の中心線(正中線)とのバランス、そして何より、強く噛んでも割れないための適切な噛み合わせの設計が必要です。
見た目だけを優先して機能を無視した治療を行うと、顎関節症になったり、せっかく入れたセラミックがすぐに欠けたりといったトラブルを招いてしまいます。

主な治療メニューと素材の選び方

審美歯科で扱われる治療は多岐にわたります。代表的なメニューと、それぞれの特徴を整理してみましょう。

治療法 特徴とメリット
オールセラミック
クラウン
金属を一切使わない陶器の被せ物。天然歯のような透明感があり、変色もしない。金属アレルギーの心配がないのが最大の利点。
ラミネートベニア 歯の表面を薄く削り、付け爪のようにセラミックのシェルを貼り付ける。すきっ歯の改善や、ホワイトニングで白くならない歯に有効。
ホワイトニング 薬剤を使って歯の内部の色素を分解し、白く漂白する。歯を削らずに明るくできる。オフィス(医院で行う)とホーム(自宅で行う)がある。
ガムピーリング 薬剤やレーザーを使って、歯茎の黒ずみ(メラニン色素)を除去し、健康的なピンク色に戻す処置。

「技工士」の腕が仕上がりを左右する

審美歯科選びで盲点となりがちなのが、実際に被せ物を作る「歯科技工士(しかぎこうし)」

の存在です。
歯科医師がどれほど完璧に歯を削り、型取りをしたとしても、最終的な「作品」を作るのは技工士です。色や形、透明感の再現性は、技工士の技術力とセンスに大きく依存します。

質の高い審美歯科治療を提供している医院は、提携している技工所(ラボ)のレベルが高く、場合によっては技工士が直接患者様の口の中を見て色合わせ(シェードテイク)を行うこともあります。「どこのラボと提携していますか?」「技工士さんの立ち会いはありますか?」といった質問をしてみるのも、医院の本気度を測る一つの指標になります。

関連記事はこちら:ホワイトニングで理想の白い歯に|効果・方法・注意点を徹底ガイド

7. 失った歯を補う「インプラント科」

歯を失った際の選択肢として、すっかり定着した感のあるインプラント(人工歯根)治療。しかし、これは顎の骨にドリルで穴を開け、異物を埋め込むという、歯科治療の中でも極めて侵襲性の高い「外科手術」であることを忘れてはいけません。

失敗のリスクを最小限に抑え、長持ちさせるためには、インプラント治療に特化した環境と技術を持つ医院を選ぶことが重要です。

外科手術としての環境基準

一般歯科の診療チェアで、歯を削るのと同じ環境で手術を行う医院もありますが、感染対策の観点からは、「専用のオペ室」</pがある医院を選ぶのが理想的です。

完全に隔離された空間で、滅菌された器具とガウンを使用し、無菌的な状態で手術を行うことで、術後の感染リスク(インプラント周囲炎など)を大幅に下げることができます。また、手術中の血圧や脈拍を管理する生体モニターや、万が一の事態に備えたAED、酸素ボンベなどの救急設備が整っているかどうかも、安全性を判断する重要なポイントです。

「CT撮影」なしの手術はあり得ない

インプラント手術において、事前のCT撮影(三次元レントゲン)は必須です。従来のパノラマレントゲン(二次元)だけでは、骨の厚みや幅、神経や血管の正確な走行位置までは把握できません。

CTを撮らずに手術をすることは、地図を持たずにジャングルを探検するようなもので、神経損傷などの重大な事故につながるリスクがあります。「うちはCTがないのでレントゲンだけでやります」という医院は、安全管理の面で避けた方が無難でしょう。

難症例に対応できる「骨造成」の技術

「骨が薄いからインプラントは無理です」と断られた経験がある方もいるかもしれません。しかし、インプラント専門医や口腔外科出身の医師であれば、「骨造成(こつぞうせい)」

という技術を使って、足りない骨を増やし、インプラントを可能にできるケースがあります。

  • GBR法(骨誘導再生法): 骨が足りない部分に人工骨や自家骨を填入し、特殊な膜(メンブレン)で覆って骨の再生を促す方法。
  • サイナスリフト / ソケットリフト: 上顎の骨が薄い場合に、鼻の横の空洞(上顎洞)の底を持ち上げて骨を作る高度な術式。

これらのオプションを持っている医師であれば、他院で断られた難症例でも対応できる可能性が高まります。諦める前に、専門的な技術を持つ医院でセカンドオピニオンを受ける価値は十分にあります。

参考ページ:虫歯が原因で健康を損なうリスクとは?

8. 複数の専門医が連携する総合歯科のメリット

ここまで個別の専門分野について解説してきましたが、最近増えているのが、一つの医院の中に各分野の専門医が在籍する「総合歯科医院」

というスタイルです。これは、大学病院の縮小版のようなイメージで、患者様にとって多くのメリットがあります。

「たらい回し」を防ぐワンストップ診療

例えば、「歯並びを治したいけれど、虫歯もあるし、親知らずも抜かなきゃいけない」という場合を考えてみましょう。

  • 従来の単科医院: A歯科で虫歯を治療し、B口腔外科へ行って親知らずを抜き、C矯正歯科で歯並びを治す…というように、複数の医院を掛け持ちする必要があります。
  • 総合歯科医院: 同じ医院内で、一般歯科医、口腔外科医、矯正医が連携しているため、カルテやレントゲン情報を共有しながら、一つの場所ですべての治療を完結させることができます。

移動の手間が省けるだけでなく、医師同士が密にコミュニケーションを取ることで、「矯正のためにどの歯を抜くべきか」「インプラントの位置をどうするか」といった治療計画のすり合わせがスムーズになり、治療の質が向上します。

包括的な視点での診断(木を見て森も見る)

一人の医師が全ての分野に精通していることは稀です。どうしても自分の得意分野に偏った診断になりがちです。

しかし、総合歯科ではカンファレンス(症例検討会)などを通じて、複数の専門医が多角的な視点から一人の患者様を診断します。「歯周病専門医の視点」と「補綴専門医の視点」を合わせることで、より長持ちし、機能的な治療計画を立てることができるのです。

総合歯科を選ぶべき人

お口全体のトラブルをまとめて解決したい方

忙しくて複数の病院に通う時間がない方

セカンドオピニオンを院内で完結させたい方

9. 自分に合った専門歯科の探し方

「専門医が良いのは分かったけれど、どうやって探せばいいの?」
インターネットで検索すると無数の歯科医院がヒットし、どこも「最新設備」「痛くない」と書いてあり、選びきれないのが実情でしょう。ここでは、広告に惑わされず、本当に実力のある専門歯科を見つけるための具体的なリサーチ方法を伝授します。

学会のホームページを活用する

最も確実なのは、各専門学会の公式ホームページにある「専門医・認定医名簿」

から検索する方法です。

  • ● 日本歯周病学会
  • ● 日本口腔外科学会
  • ● 日本矯正歯科学会
  • ● 日本小児歯科学会

これらの学会が認定する「専門医」資格は、数年間の研修、試験、症例発表などをクリアした医師にのみ与えられるもので、一定以上の水準にあることが客観的に保証されています。「自称・専門医」ではなく、こうした公的な資格を持っているかどうかは、大きな判断基準になります。

ホームページの「症例写真」を見る

医院のホームページを見る際は、綺麗な内装やモデルの写真よりも、実際の「症例写真(ビフォーアフター)」

をよく観察してください。
自信のある医院は、多くの症例写真を掲載しています。特に、自分と同じような症状の人が、どのように治っているかを確認しましょう。写真の画質が鮮明で、歯茎の状態まで綺麗にコントロールされている症例が多い医院は、技術レベルが高い傾向にあります。

「初診相談(カウンセリング)」に行ってみる

ネットの情報だけで100%判断することは不可能です。最終的には、実際に足を運び、医師と直接話してみるしかありません。
多くの医院では、矯正やインプラントなどの高額治療に関して「無料相談」や「初診カウンセリング」を行っています。

  • ● メリットだけでなく、リスクやデメリットも説明してくれるか?
  • ● 料金体系は明確か?(追加費用の有無など)
  • ● 質問に対して、納得いくまで答えてくれるか?

これらをチェックし、「この先生なら任せられる」と直感的に思えるかどうかも、長い治療を続ける上では非常に大切な要素です。

10. まずは一般歯科で相談してみよう

ここまで様々な専門分野について解説してきましたが、結局のところ、自分がどの科に行くべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、難しく考えずに「まずは近所の通いやすい一般歯科(かかりつけ医)」を受診する

ことから始めてみてください。

GP(一般歯科医)は最強のゲートキーパー

一般歯科医は、歯科医療の入り口(ゲートキーパー)です。初期の診断を行い、自分の医院で対応できるものは治療し、専門性が高いと判断したものは、適切な専門医へ紹介してくれます。
自己判断でいきなり専門医や大学病院へ行くと、紹介状がないために「選定療養費」という追加料金がかかったり、実は専門的な治療が必要ない軽症で、待ち時間だけが無駄になったりすることもあります。

紹介状という「パスポート」

一般歯科から書いてもらう「紹介状(診療情報提供書)」には、レントゲンデータやこれまでの治療経過など、専門医が診断するために必要な情報が詰まっています。
これがあることで、転院先での検査の重複を防ぎ、スムーズに専門治療へと移行することができます。紹介状は、医師同士の連携の証であり、患者様が最適な医療を受けるためのパスポートなのです。

信頼関係を築くことから始めよう

歯科治療は、一度治したら終わりではありません。その後のメンテナンス(定期検診)こそが、歯の寿命を決めます。
専門的な治療は専門医にお願いするとしても、日々のケアやちょっとしたトラブルを気軽に相談できる「かかりつけ医」を持っておくことは、人生100年時代を健康に生き抜くための必須条件です。

まずは検診のつもりで、近くの歯科医院のドアを叩いてみてください。そこでの出会いが、あなたのお口の未来を変える第一歩になるはずです。

専門性を理解し、賢く使い分けることが健康への近道

今回は、複雑な歯科の専門分野について、それぞれの特徴と選び方を解説してきました。 「歯医者さんなんてどこも同じ」と思っていた方も、それぞれの分野に深い専門性と役割があることを知っていただけたのではないでしょうか。

この記事で最もお伝えしたかったことは、「自分の症状や目的に合わせて、最適なプロフェッショナルを選ぶ権利があなたにはある」

ということです。一つの医院ですべてを解決しようとせず、必要に応じて専門医の力を借りる「チーム医療」の考え方を持つことが、後悔しない治療を受ける秘訣です。

読者の皆様に、明日から実践していただきたい具体的なアクションは以下の2つです。

  1. 現在通っている歯科医院のホームページを確認し、院長先生の得意分野や専門医資格をチェックしてみる。
    意外な強みを知ることで、相談できる悩みの幅が広がるかもしれません。
  2. 長年抱えているお口の悩み(歯並びや親知らずなど)があれば、一度その分野の「専門外来」や「無料相談」を予約してみる。
    専門家の話を聞くだけでも、解決の糸口がきっと見つかります。

あなたの大切な歯を守るために、賢い患者様として、最適な医療を選択していってください。

歯科の専門分野に関するよくある質問

Q. 紹介状なしでいきなり大学病院に行ってもいいですか?

A. 可能ですが、追加費用と長い待ち時間が発生します。

多くの大学病院では、紹介状なしの初診に対し数千円の「選定療養費」を徴収しています。また、初診受付は午前中のみなどの制限も多いため、まずは一般歯科を受診し、紹介状をもらうことを強くお勧めします。

Q. 専門医の治療は費用が高くなりますか?

A. 保険診療であれば全国一律ですが、自費診療は医院によります。

保険治療の内容であれば、専門医であっても費用は変わりません。ただし、専門医は高度な自費診療(インプラントや矯正など)をメインにしていることが多く、その場合は技術料として高めに設定されていることがあります。

Q. 途中で転院したくなったらどうすればいいですか?

A. セカンドオピニオンを利用するか、正直に伝えてデータを貰いましょう。

信頼関係が築けないまま通うのは良くありません。「引っ越し」や「専門医の意見を聞きたい」などの理由でレントゲンデータのコピーを依頼し、転院することは可能です。

Q. 矯正歯科で虫歯が見つかったら、そこで治療できますか?

A. 矯正専門医院では虫歯治療を行わないことが多いです。

矯正専門の医院は、虫歯を削る機械や設備を持っていないことがあります。その場合、虫歯治療や抜歯は提携している一般歯科や口腔外科へ依頼(紹介)されるのが一般的です。

参考ページ:虫歯が原因で健康を損なうリスクとは?

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執筆者

丘の上歯科醫院 院長

平成16年:愛知学院大学(歯)卒業
IDA(国際デンタルアカデミー)インプラントコース会員
OSG(大山矯正歯科)矯正コース会員
YAGレーザー研究会会員

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