予防歯科
YAGレーザー導入
オカ・ジロー日誌(ブログ)
twitter link
facebook link
*
診療時間

△土曜午後は午後2:00から4:00迄
【休診日】木曜・日曜日・祝日

診療科目

予防歯科/一般歯科/小児歯科/矯正歯科/審美歯科/インプラント/障がい者歯科・訪問歯科

スタッフ募集
  • 予防歯科
  • 一般歯科・小児歯科
  • 矯正歯科・審美歯科
  • 障がい者歯科・訪問歯科
丘の上歯科医院

丘の上歯科醫院

院長:内藤 洋平

〒458-0925
名古屋市緑区桶狭間1910
TEL:052-627-0921

*
  • 一般歯科・小児歯科
  • 矯正歯科・審美歯科
  • 障がい者歯科・訪問歯科
丘の上歯科医院
歯科コラム

子どもの矯正治療を始める前に知っておきたい10のポイント【適齢期・費用・治療法を徹底解説】

  • 矯正歯科
  • 小児歯科

子どもの矯正治療を考えている方へ

「うちの子の歯並び、大丈夫かな?」

「いつから矯正治療を始めるべきなんだろう?」

子どもの矯正治療について、このような疑問やお悩みを抱えている親御さんは少なくありません。健康な歯並びは、見た目だけでなく、全身の健康、ひいては子どもの健やかな成長に大きく関わってきます。しかし、いつ、どのような治療を選択すべきか、費用はどのくらいかかるのかなど、分からないことばかりで不安に感じることもあるでしょう。読者の皆様が子どもの矯正治療に関する正しい知識を深め、納得のいく選択ができるようお手伝いします。

 


目次

1. 子どもの矯正治療の適齢期とは?
2. 永久歯が生えそろう前の矯正のメリット
3. 床矯正とは?子どもの矯正に適している?
4. 子どもの矯正治療にかかる費用の目安
5. 早めの矯正治療が将来の歯並びを左右する?
6. 子どもの矯正治療で親ができるサポート
7. 矯正治療中の子どもが気をつける食事
8. 矯正を嫌がる子どもへの対応方法
9. 子どもの矯正と学校生活の両立
10. 小児矯正と成人矯正の違いとは?


 

1. 子どもの矯正治療の適齢期とは?

子どもの矯正治療を検討する際、最も多く寄せられる質問の一つが「いつから始めるのが良いのか」という適齢期に関するものです。矯正治療の開始時期は、お子様の成長段階や歯並びの状態によって大きく異なりますが、一般的には乳歯と永久歯が混在する混合歯列期(6歳〜12歳頃)に始めるのが効果的とされています。この時期に治療を開始する「一期治療(または小児矯正)」は、顎の成長を利用して歯並びを整えることができるため、将来的な抜歯のリスクを減らしたり、二期治療(本格矯正)の負担を軽減したりするメリットがあります。

しかし、全てのお子様がこの時期に治療を開始する必要があるわけではありません。例えば、受け口や交叉咬合(上下の歯の噛み合わせがずれている状態)など、早期の改善が望ましい特定の不正咬合も存在します。これらのケースでは、3歳頃から治療を開始することもあります。重要なのは、お子様の歯並びや顎の発育状態を定期的に専門医に診てもらい、個々に最適な治療開始時期を見極めることです。早期に相談することで、治療の選択肢が広がり、お子様にとってより負担の少ない方法で理想的な歯並びを目指せる可能性が高まります。

 

 

2. 永久歯が生えそろう前の矯正のメリット

永久歯が生えそろう前の段階、特に混合歯列期に行われる矯正治療は、多くのメリットをもたらします。この時期は、顎の骨がまだ成長段階にあり、その成長を良い方向に誘導できるため、歯を抜かずに治療を進められる可能性が高まります。

永久歯が生えそろう前の子どもは、顎の骨が活発に成長しています。この時期に矯正治療を開始することで、単に歯を動かすだけでなく、顎の成長をコントロールし、上下の顎のバランスを整えることが可能です。例えば、上顎が十分に成長していない場合には、上顎の拡大装置を用いることで、将来的に歯が並ぶスペースを確保し、叢生(歯がでこぼこに生えている状態)の悪化を防ぐことができます。これは、永久歯列期に入ってからでは難しい、あるいは抜歯が必要となるようなケースでも、早期介入によって非抜歯での治療を可能にする大きな利点です。

永久歯列期に矯正治療を行う場合、歯が並ぶスペースが不足していると、健全な歯を抜歯してスペースを確保する必要が出てくることがあります。しかし、子どものうちに顎の成長を促し、歯が適切な位置に生えてくるための十分なスペースを確保することで、将来的な抜歯のリスクを大幅に減らすことができます。これは、お子様の身体的な負担を軽減するだけでなく、精神的な負担も少なくする点で非常に重要です。

子どもの矯正治療は、顎の成長を利用できるため、永久歯列期に入ってから本格的な矯正治療を行う場合と比較して、全体的な治療期間が短くなることがあります。また、早期に問題を発見し、軽度なうちに介入することで、大掛かりな治療を回避し、結果として全体の費用を抑えられる可能性もあります。

歯並びの乱れは、見た目だけでなく、咀嚼機能や発音にも影響を与えることがあります。早期に矯正治療を行うことで、これらの口腔機能を改善し、食事をしっかり噛んで食べられるようになることで消化吸収を助けたり、正しい発音を促したりすることができます。また、口呼吸や舌の癖といった悪習癖も、歯並びの悪化に繋がる要因ですが、これらを早期に改善することで、より良い口腔環境を築くことができます。

歯並びは、子どもの自信や自己肯定感にも大きく影響します。特に学齢期の子どもにとって、歯並びのコンプレックスは、人前で笑うことをためらったり、引っ込み思案になったりする原因となることがあります。早期に歯並びを整えることで、自信を持って笑顔を見せられるようになり、精神的な成長にも良い影響を与えることができます。

 

 

3. 床矯正とは?子どもの矯正に適している?

床矯正(しょうきょうせい)は、取り外し可能な装置を用いて行う矯正治療の一種で、特に成長期のお子様の矯正治療において広く採用されています。この治療法は、主に顎の成長を促進し、歯が並ぶスペースを確保することを目的としており、永久歯がすべて生えそろう前の混合歯列期に行われることが多いです。

床矯正装置は、レジン製のプレートと金属のワイヤーで構成されており、歯を直接動かすのではなく、顎の骨を側方や前方にゆっくりと広げることで、歯が適切な位置に生えてくるためのスペースを作り出します。装置は取り外し可能であるため、食事や歯磨きの際には外すことができ、口腔衛生を保ちやすいという特徴があります。

床矯正のメリットは多岐にわたります。顎の成長期にあるお子様の場合、骨格的な問題にアプローチし、顎の適切な成長を促すことで、将来的な歯並びの問題を根本から解決できる可能性があります。歯が並ぶスペースを顎の拡大によって確保できるため、永久歯列期に入ってからの抜歯の必要性を低減できます。取り外し可能なため、普段通り歯磨きができ、虫歯や歯周病のリスクを軽減できる点も魅力です。ワイヤー矯正と比較して、治療費が比較的安価に済むことが多く、歯に直接強い力を加えるわけではないため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向にあります。

一方で、床矯正にはデメリットと注意点も存在します。装置を指示された時間(通常は就寝時と日中の数時間)装着しなければ効果が得られないため、お子様自身の協力が不可欠です。装着を怠ると、治療期間が延びたり、期待する効果が得られなかったりすることがあります。床矯正は、主に顎の拡大や軽度の歯列不正に有効であり、複雑な噛み合わせの問題や、歯の傾斜や回転を大きく改善する必要がある場合には、単独での治療が難しいことがあります。床矯正で顎のスペースを確保しても、すべての歯並びの問題が解決するわけではなく、永久歯がすべて生えそろった後に、部分的なワイヤー矯正など、二期治療が必要になるケースもあります。

床矯正は、顎の成長を促すことで歯が並ぶスペースが不足している場合、指しゃぶりや舌の癖など口腔習癖が歯並びに影響を与えている場合、軽度な歯列不正で早期に介入することで将来的な本格矯正の負担を軽減したい場合、そして取り外し可能な装置の管理がお子様自身でできる見込みがあるお子様に適していると考えられます。お子様の歯並びや顎の状態は一人ひとり異なるため、床矯正が最適かどうかは、必ず専門医による診断を受ける必要があります。精密検査の結果に基づいて、お子様にとって最適な治療計画が提案されることになります。

 


🦷歯の健康を守る情報発信中!🦷

「丘の上歯科醫院」では、予防歯科を中心に、お口の健康を長く維持するための最新情報をお届けしています。虫歯・歯周病を防ぎたい方、健康な歯をキープしたい方は、ぜひ定期検診をご検討ください!

📅 予防歯科のご予約はこちら 👉 予約ページ


 

4. 子どもの矯正治療にかかる費用の目安

子どもの矯正治療にかかる費用は、治療方法、治療期間、症例の複雑さ、そして歯科医院によって大きく異なります。ここでは、一般的な費用の目安と、費用を左右する要因について詳しく解説します。

子どもの矯正治療費は、主に以下の項目で構成されます。まず、治療を開始する前に、歯並びや顎の状態を詳しく調べるための相談料・検査診断料が必要です。これにはレントゲン撮影、歯型の採取、口腔内写真撮影などが行われます。次に、実際に使用する矯正装置の費用である矯正装置料がかかります。床矯正装置、拡大装置、ワイヤー矯正装置など、様々な種類があり、それぞれ費用が異なります。治療期間中に定期的に行われる装置の調整や、歯のクリーニングなどの費用として処置料(調整料)が毎回の来院時に発生することが多いです。最後に、矯正治療が終了した後、歯並びが元に戻らないように保定装置を使用する期間の費用である保定装置料・観察料が必要となります。

子どもの矯正治療は、大きく分けて「一期治療(小児矯正)」と「二期治療(本格矯正)」に分かれます。一期治療(小児矯正)の費用目安は、主に混合歯列期に行われる治療で、顎の成長誘導や歯が並ぶスペースの確保を目的とします。床矯正装置や拡大装置は10万円〜40万円程度、部分矯正(ワイヤー)は20万円〜50万円程度、その他(ヘッドギアなど)は5万円〜20万円程度が目安です。一期治療のみで終了する場合もあれば、二期治療へ移行する場合もあります。二期治療(本格矯正)の費用目安は、永久歯がすべて生えそろった後に行われる治療で、歯全体を動かして理想的な噛み合わせと歯並びを目指します。ワイヤー矯正(表側)は60万円〜100万円程度、ワイヤー矯正(裏側)は100万円〜150万円程度、マウスピース型矯正(インビザラインなど)は80万円〜120万円程度が目安です。二期治療の場合、一期治療を受けていると割引が適用される歯科医院もあります。

費用を左右する要因としては、まず症例の複雑さが挙げられます。歯並びの問題が複雑であればあるほど、治療期間が長くなり、使用する装置も増えるため、費用が高くなる傾向があります。次に、治療期間が長くなればなるほど、処置料(調整料)の回数が増えるため、総額が高くなります。使用する矯正装置の種類も費用に影響を与え、目立ちにくい装置(裏側矯正やマウスピース型矯正)は、一般的なワイヤー矯正よりも費用が高くなります。矯正治療費は自由診療のため、歯科医院の方針によって料金設定が異なりますので、複数の歯科医院で相談し、見積もりを比較検討することが重要です。最後に、矯正治療が噛み合わせの改善など、機能的な問題の改善を目的とする場合、医療費控除の対象となることがあります。年間10万円を超える医療費を支払った場合、確定申告で所得税の還付を受けられる可能性があります。

矯正治療は、一括で高額な費用がかかるため、デンタルローンや分割払いを導入している歯科医院もあります。事前に支払い方法についても確認し、無理のない範囲で治療を進めることが大切です。また、治療開始後の追加費用が発生しないかどうかも、事前に確認しておくべき重要なポイントです。トータルフィー制度(治療開始から終了までの費用がすべて含まれる制度)を採用している歯科医院であれば、追加費用の心配が少ないでしょう。

 

5. 早めの矯正治療が将来の歯並びを左右する?

「子どもの歯並びは、永久歯が生えそろってから考えればいい」と考えている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実は早期の矯正治療が、お子様の将来の歯並び、ひいては全身の健康に大きな影響を与える可能性があります。

子どもの歯並びの問題は、単に見た目の問題だけでなく、咀嚼機能の低下、発音障害、顎関節への負担、虫歯や歯周病のリスク増加など、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。特に、受け口(反対咬合)交叉咬合(クロスバイト)開咬(オープンバイト)、叢生(そうせい)といった不正咬合は、早期の介入が推奨されます。これらの不正咬合は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、顎の成長を正しい方向に誘導し、歯が適切な位置に生えてくるためのスペースを確保することができます。これにより、将来的に大掛かりな矯正治療や外科手術が必要となる可能性を低減できるのです。

子どもの成長期は、顎の骨も活発に成長しています。この時期に矯正治療を開始することで、顎の成長の方向や大きさをコントロールし、上下の顎のバランスを整えることができます。例えば、上顎の成長が不十分な場合には、上顎を拡大する装置を使用することで、鼻腔が広がり、鼻呼吸がしやすくなるなど、歯並び以外のメリットも期待できます。

正しい歯並びは、食べ物を効率よく噛み砕き、栄養をしっかり摂取するために不可欠です。また、正しい発音にも貢献し、コミュニケーション能力の向上にも繋がります。さらに、口呼吸ではなく鼻呼吸を促すことで、アレルギー症状の緩和や、顔貌の健全な発達にも良い影響を与えることがあります。早期にこれらの口腔機能の改善を図ることは、お子様の全身の健康と成長に長期的な好影響をもたらします。

歯並びのコンプレックスは、子どもの心理面に大きな影響を与えることがあります。人前で口を開けて笑うのをためらったり、いじめの原因になったりすることもあります。早期に歯並びを整えることで、自信を持って笑顔を見せられるようになり、自己肯定感の向上に繋がります。これは、学業や社会生活においてもプラスに作用し、お子様の健やかな成長をサポートします。

このように、子どもの早期矯正治療は、単に歯並びを整えるだけでなく、顎の健全な成長を促し、口腔機能の改善、さらには心理的な側面にも良い影響を与えるなど、将来のお子様の健康と幸福を左右する重要な選択となり得ます。少しでもお子様の歯並びが気になる場合は、早めに専門医に相談することをお勧めします。

 

 

6. 子どもの矯正治療で親ができるサポート

子どもの矯正治療は、歯科医院での治療だけでなく、家庭での親御さんのサポートが非常に重要です。親御さんの理解と協力が、治療の成功を大きく左右すると言っても過言ではありません。

まず、最も重要なのは、歯科医院との密な連携です。矯正治療は定期的な通院が不可欠であり、装置の調整や歯の状態の確認のため、指定された日に確実に通院できるよう、スケジュールを管理しましょう。治療中に疑問に思うことや不安なことがあれば、遠慮なく歯科医師やスタッフに質問し、親御さん自身が治療内容を理解し、納得していることが、お子様への良い影響に繋がります。お子様の治療の進捗状況や、注意すべき点についても、歯科医院からの説明をしっかりと聞き、把握しておくことが大切です。

取り外し可能な装置を使用する床矯正などの場合、お子様自身が装置を指示された時間装着することが非常に重要です。お子様が装置を正しく、指示された時間装着しているか確認し、装着を促しましょう。タイマーを使うなど、工夫を凝らすのも良いでしょう。矯正治療は、お子様にとって負担となることもあります。装置の装着を嫌がったり、痛みを訴えたりすることもあるかもしれません。そんな時には、叱るのではなく、「頑張っているね」「あと少しだよ」と優しく励まし、小さなことでも褒めてあげることが大切です。成功体験を積み重ねることで、お子様のモチベーション維持に繋がります。取り外し可能な装置は、紛失したり破損したりすることがありますので、専用のケースに保管するなど、お子様と一緒に管理方法を確認しましょう。

矯正装置を装着している間は、歯磨きが難しくなり、虫歯や歯肉炎のリスクが高まります。歯科衛生士から正しい歯磨き方法を教えてもらい、お子様と一緒に実践しましょう。特に、ブラケットの周りやワイヤーの下など、磨きにくい部分の磨き方を丁寧に教えてあげてください。歯ブラシだけでは届かない部分の汚れを除去するために、フロスや歯間ブラシの使用を促しましょう。矯正治療中の虫歯予防のためにも、定期的なフッ素塗布やクリーニングを検討することも有効です。

矯正装置の種類によっては、食事に注意が必要な場合があります。粘着性の高いもの、硬いもの、繊維質の多いものなど、装置に絡まったり、破損の原因となったりする食べ物については、歯科医院で確認し、お子様に伝えましょう。痛みがある時や、装置に慣れない間は、やわらかく、噛みやすい食事を用意してあげると良いでしょう。食事の後は、すぐに歯磨きをする習慣をつけさせることが重要です。

矯正治療は、お子様にとって精神的な負担となることもあります。痛みや不快感、見た目に対する不安など、お子様の気持ちに寄り添い、話を聞いてあげましょう。なぜ矯正治療が必要なのか、治療が終わるとどんな良いことがあるのかを、お子様にも分かりやすく伝え、治療への理解を深めさせましょう。もし、お子様が周りに矯正治療を受けている友達がいれば、情報交換をしたり、励まし合ったりすることで、前向きな気持ちを維持できることがあります。親御さんの献身的なサポートが、お子様の矯正治療を成功に導く大きな力となります。焦らず、根気強く、お子様と一緒に治療に取り組んでいきましょう。

 


🦷歯の健康を守る情報発信中!🦷

「丘の上歯科醫院」では、予防歯科を中心に、お口の健康を長く維持するための最新情報をお届けしています。虫歯・歯周病を防ぎたい方、健康な歯をキープしたい方は、ぜひ定期検診をご検討ください!

📅 予防歯科のご予約はこちら 👉 予約ページ


 

7. 矯正治療中の子どもが気をつける食事

矯正治療中は、装置の破損を防ぎ、口腔衛生を良好に保つために、食事にいくつかの注意が必要です。特に、ワイヤー矯正の場合、装置に食べ物が挟まりやすかったり、硬いものを噛むことで装置が外れたりするリスクがあります。お子様が快適に治療を進められるよう、親御さんも食事への配慮が重要です。

まず、避けるべき食べ物としては、硬い食べ物が挙げられます。せんべい、あめ、氷、ナッツ類などは、ブラケットやワイヤーを破損させる可能性が高いため、避けるべきです。どうしても食べたい場合は、細かく砕くなど工夫が必要です。骨付き肉(手で持つもの)やフランスパンなど硬いパンの皮も、無理に噛み切ろうとすると装置に強い力がかかります。また、キャラメル、餅、ガム、ソフトキャンディといった粘着性の高い食べ物は、装置に強くくっつき、取り除くのが非常に困難です。装置を外れやすくしたり、虫歯の原因になったりするリスクもあります。ほうれん草、エノキダケ、ニラなどの葉物野菜やタケノコなど、繊維質の多い食べ物は、装置の間に挟まりやすく、不快感を与えたり、歯磨きを難しくしたりします。細かく刻んだり、ピューレ状にしたりするなどの工夫が必要です。とうもろこし、トマト、イチゴなどの小さな種のある食べ物も、ブラケットの隙間に入り込み、取り除きにくいことがあります。

一方で、矯正治療中も栄養バランスの取れた食事は重要です。安心して食べられる食べ物としては、やわらかい食べ物が挙げられます。ごはん、おかゆ、うどん、パスタ、パン(やわらかい部分)は装置に負担をかけにくい主食です。豆腐、卵料理(卵焼き、茶碗蒸し)、魚(骨のないもの)、ひき肉はタンパク源としておすすめです。ヨーグルト、プリン、ゼリー、スムージーはデザートや間食にも適しています。煮物や蒸し料理など、食材がやわらかくなる調理法も良いでしょう。硬い野菜や果物は、小さく切ってから食べると、装置への負担を減らせます。リンゴなども、丸かじりするのではなく、小さく切って食べさせましょう。

食事に関するその他の注意点として、装置を調整した直後や歯が動き始めた初期は、痛みを感じやすいことがありますので、この期間は特にやわらかい食事を心がけましょう。どんな食べ物を食べた後でも、食後はすぐに歯磨きをすることが非常に重要です。食べカスが装置に残りやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めます。歯磨きができない場合は、うがいをしっかり行うだけでも効果があります。水やお茶など、糖分の少ない飲み物でこまめに水分補給をしましょう。ジュースやスポーツドリンクは、糖分が多く虫歯になりやすいため、控えめにすることが望ましいです。

食事の管理は、お子様自身に任せるだけでなく、親御さんが献立を工夫したり、食べ方を指導したりすることで、矯正治療をスムーズに進めることができます。不明な点があれば、必ず歯科医院に相談し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

 

 

8. 矯正を嫌がる子どもへの対応方法

子どもの矯正治療は、期間が長く、痛みや見た目の変化を伴うため、お子様が途中で嫌がってしまうことも少なくありません。親御さんの理解とサポートが、お子様が治療を乗り越える上で非常に重要です。

まず、お子様がなぜ矯正治療を嫌がるのか、その理由を丁寧に聞き出すことが大切です。痛みや不快感、装置の装着による見た目の変化、食事の制限、友達との違い、装置の管理が面倒、治療の目的が理解できないなど、様々な理由が考えられます。これらの理由を一つひとつ丁寧に聞き出し、お子様の気持ちに寄り添う姿勢を見せることが、次のステップへ進むための第一歩です。

お子様の気持ちを否定せず、「嫌だよね」「つらいね」と共感し、話を聞いてあげることが重要です。その上で、冷静に治療の必要性を説明しましょう。例えば、「きれいな歯並びになると、笑顔がもっと素敵になるよ」「ごはんをしっかり噛んで食べられるようになるから、体が丈夫になるよ」「虫歯になりにくくなって、歯医者さんに行く回数が減るよ」「滑舌が良くなって、もっとお話が上手になるよ」など、お子様が理解しやすい言葉で、具体的なメリットを伝えます。「あとどれくらい頑張ればいいのか」という見通しが立つと、モチベーションが維持しやすくなります。「〇〇(具体的なイベント、例えば夏休みまで)まで頑張ったら、装置が外れるかもね」など、具体的な目標を設定するのも良いでしょう。

お子様が頑張ったことに対して、具体的なご褒美を用意するのも効果的です。装置を〇時間装着できた、歯磨きを頑張ったなど、小さな目標を設定し、達成するごとに好きな本を買ってあげたり、行きたい場所に連れて行ってあげたりするなど、段階的なご褒美を考えましょう。おもちゃやゲームなどの物だけでなく、家族で映画に行く、公園で遊ぶ時間を増やすなど、一緒に楽しい時間を過ごす「経験」をプレゼントするのも良いでしょう。

お子様が嫌がっている状況を歯科医院にも正直に伝え、相談しましょう。歯科医師や歯科衛生士からお子様へ直接、治療の重要性や頑張りを評価する言葉をかけてもらうことで、お子様も「先生に褒められた」とモチベーションが上がることがあります。痛みがひどい場合は、装置の調整を検討してもらえることもありますし、お子様の状況に応じて、歯科医院のスタッフが精神的なサポートをしてくれることもあります。

矯正治療は、親御さんにとっても忍耐が必要です。お子様が嫌がっても、感情的にならず、冷静に対応しましょう。お子様が一人で抱え込まず、いつでも相談できるような雰囲気作りが大切です。時には休息も必要ですが、治療を中断することのデメリットも伝えつつ、根気強く見守っていきましょう。

 

9. 子どもの矯正と学校生活の両立

子どもの矯正治療は、学校生活と密接に関わってきます。見た目の問題、食事、部活動など、学校生活で生じる可能性のある課題に対し、どのように対応していくかが、治療を継続する上で重要になります。

まず、見た目に関する配慮とコミュニケーションが大切です。お子様が矯正装置を装着することに対し、見た目を気にしている場合は、事前に学校の先生や、信頼できる友人には伝えておくことを検討しましょう。理解を得ることで、からかいなどのトラブルを未然に防げる可能性があります。歯並びが気になるというお子様の気持ちを理解し、不安や疑問があれば、一緒に解決策を考えましょう。例えば、目立ちにくい装置(マウスピース型矯正など)を選択肢に入れることもできます。矯正治療は「きれいな歯並びになるための大切なステップ」であることを伝え、ポジティブな気持ちで臨めるようにサポートしましょう。

学校での給食やお弁当は、矯正治療中の子どもにとって悩みの種となることがあります。給食の献立によっては、硬いものや粘着性の高いものが出ることがありますので、事前に献立を確認し、もし食べにくいものがあれば、小さく切る、やわらかくするなどの工夫を家庭で練習しておくか、先生に相談して配慮を求めることも検討しましょう。お弁当を持参する場合は、お子様が食べやすいように、やわらかい食材を中心に、細かく切ったり、一口大にしたりするなどの工夫をしましょう。歯間ブラシやフロス、携帯用の歯ブラシセットも持たせてあげると、食後のケアがしやすくなります。水筒には、糖分の少ない水やお茶を持たせるようにしましょう。

スポーツ系の部活動や習い事をしている場合、矯正装置の破損や、口の中を傷つけるリスクがあります。コンタクトスポーツ(ラグビー、バスケットボール、サッカーなど)をしている場合は、矯正装置を保護し、口の中の怪我を防ぐために、マウスガードの着用を強くお勧めします。矯正歯科医に相談し、お子様の歯並びに合ったカスタムメイドのマウスガードを作成してもらいましょう。金管楽器や木管楽器を演奏する場合、矯正装置が口の中に当たることで痛みが生じたり、演奏に影響が出たりすることがあります。事前に矯正歯科医に相談し、対策を講じましょう。必要に応じて、装置の調整や、保護具の装着などを検討します。運動後や習い事の後も、こまめな歯磨きと水分補給を心がけましょう。

学校にいる間も、虫歯や歯肉炎のリスクは高まります。歯ブラシ、歯磨き粉、フロス、歯間ブラシなど、必要なものを一式持ち歩けるように、専用のポーチなどを用意してあげましょう。昼食後には必ず歯磨きをする習慣をつけさせることが重要です。学校の水道で歯磨きできる場所を確認しておきましょう。歯磨きができない場合でも、食後はうがいをすることで、ある程度の食べカスを除去できます。

学校生活は、子どもの成長にとって非常に大切な時間です。矯正治療が、その大切な時間を妨げることのないよう、親御さん、お子様、そして学校が連携し、適切なサポート体制を築くことが成功の鍵となります。

 


🦷歯の健康を守る情報発信中!🦷

「丘の上歯科醫院」では、予防歯科を中心に、お口の健康を長く維持するための最新情報をお届けしています。虫歯・歯周病を防ぎたい方、健康な歯をキープしたい方は、ぜひ定期検診をご検討ください!

📅 予防歯科のご予約はこちら 👉 予約ページ


 

10. 小児矯正と成人矯正の違いとは?

矯正治療を検討する際、小児矯正(一期治療)成人矯正(二期治療または本格矯正)の違いを理解することは非常に重要です。両者には、治療の目的、使用する装置、治療期間、費用、そして何よりも顎の成長の有無という点で大きな違いがあります。

小児矯正(一期治療)の主な目的は、顎の骨がまだ成長段階にある混合歯列期に、顎の成長をコントロールし、上下の顎のバランスを整えたり、歯が並ぶための十分なスペースを確保したりすることです。これにより、将来的な抜歯のリスクを減らし、本格矯正の負担を軽減できる可能性があります。また、指しゃぶり、舌の癖、口呼吸など、歯並びに悪影響を与える口腔習癖の改善や、受け口や交叉咬合など、早期の改善が望ましい特定の不正咬合の治療も目的とします。

一方、成人矯正(二期治療または本格矯正)は、顎の成長が終わった成人に対して行われるため、主に歯を移動させることで歯並びや噛み合わせを整えます。審美性の向上だけでなく、咀嚼機能や発音の改善、虫歯や歯周病のリスク軽減、さらには歯並びや噛み合わせの乱れが原因で生じる顎関節症の改善も目的とします。

使用する矯正装置にも違いが見られます。小児矯正では、主に取り外し可能な装置(床矯正装置、拡大装置など)が用いられ、お子様自身の協力が不可欠です。部分的なワイヤー矯正やヘッドギアなどの装置が使用されることもあります。成人矯正では、主に固定式の装置(ワイヤー矯正:歯の表側・裏側、マウスピース型矯正)が用いられ、歯全体を動かす必要があるため、より強力な力が加わる装置が選択されます。

治療期間と費用にも差があります。小児矯正の治療期間は数ヶ月から数年と幅広く、症状によって異なりますが、二期治療が必要になる場合、トータルの治療期間は長くなります。費用は成人矯正に比べて安価な傾向にあります。成人矯正の治療期間は1年半から3年程度が一般的ですが、症例の複雑さによってさらに長くなることもあり、費用は小児矯正に比べて高額になる傾向があります。

小児矯正と成人矯正の最も大きな違いは、顎の成長の有無です。小児期は、顎の成長を利用して、骨格的な問題を改善したり、歯が並ぶスペースを確保したりできるため、将来的な抜歯のリスクを減らしたり、外科手術を回避したりできる可能性が高まります。しかし、成人期は顎の成長がほとんど終了しているため、骨格的な問題が大きい場合は、矯正治療だけでは限界があり、外科手術(外科的矯正治療)と併用する必要があるケースもあります。

お子様の歯並びが気になる場合は、まずは小児矯正を専門とする歯科医院で相談し、お子様の成長段階に合わせた最適な治療計画を立ててもらうことが、将来の美しい歯並びと健康な生活への第一歩となるでしょう。

 

 

お子様の未来の笑顔のために:矯正治療という選択

子どもの矯正治療は、単に見た目を整えるだけでなく、お子様の健やかな成長と全身の健康に深く関わる重要な選択です。本記事では、子どもの矯正治療の適齢期から、永久歯が生えそろう前の矯正のメリット、床矯正の詳細、費用、そして親御さんができるサポートまで、多角的な視点から解説してきました。

最も重要なのは、お子様の歯並びや顎の発育状態を早期に専門医に診てもらい、個々に最適な治療開始時期と方法を見極めることです。成長期に顎の成長を適切に誘導することで、将来的な抜歯のリスクを低減し、より負担の少ない形で理想的な歯並びを目指せる可能性が高まります。また、矯正治療は、口腔機能の改善や、お子様の心理的な成長にも大きな影響を与えます。

治療期間中はお子様にとって様々な課題が生じることもありますが、親御さんの理解と献身的なサポートが、治療の成功を大きく左右します。歯科医院との密な連携、装置装着への励まし、口腔衛生の徹底、そして食事への配慮を通じて、お子様が治療を乗り越えられるよう、共に歩んでいきましょう。

この情報が、子どもの矯正治療を考えている親御さんの不安を解消し、お子様にとって最良の選択をするための一助となれば幸いです。お子様の未来の笑顔のために、今できる最善の選択を検討してみてください。

 


🦷歯の健康を守る情報発信中!🦷

「丘の上歯科醫院」では、予防歯科を中心に、お口の健康を長く維持するための最新情報をお届けしています。虫歯・歯周病を防ぎたい方、健康な歯をキープしたい方は、ぜひ定期検診をご検討ください!

📅 予防歯科のご予約はこちら 👉 予約ページ


 

ページトップ
COPYRIGHT OKANOUE DENTAL CLINIC  ALL RIGHTS RESERVED.